はてなもドリコムも京都で生まれ、東京に出て行った(2)

さて、「はてなもドリコムも京都で生まれ、東京に出て行った(1) | 京の路」の続き。

まずは京都から東京に来たことのメリットを考えてみます。

京都オフィスがあった頃は上場を目指していたこともあり、ドリコムの経営方針自体が事業的にBtoBに傾倒していました。そんな中で京都が拠点だったBtoC事業は、東京オフィスとは違う時間が流れており、東京と京都は違う会社だという雰囲気もありました。

京都で開発しているサービスがかなりの確率で開発スケジュールに遅れていたこともあり、売上の大部分が東京のBtoB事業で上がっていたこともあって、東京には「京都は仕事していないんじゃないか?」という雰囲気もあったのかもしれません。

また東京にもBtoCサービスを開発しているメンバーがいて、同じBtoC事業部内でも離れた場所で仕事をするチームがあったので、なかなかメッセンジャーだけでは意思疎通が十分に行われないこともあったようです。

そういう意味では、みんなが同じオフィスに集まって仕事をしている今の方が、確実にコミュニケションも活発になり、「同じ会社」という認識も強まっていると思います。

美谷さんが指摘している様に

例え同じ場所にいても、果たして本当の意味でコミュニケーションをとっていることになるのか。

ということは課題として残っていますが、物理的な制約があったころは不可能だった週1度の定例会議や、月1度の全社員を集めた報告会なんかは、サービスビジョンや会社の危機感の共有に非常に役に立っていると思います。

次に、京都から東京に来たことのデメリットですが...

僕が京都に一人で残っていたSOHO時代は、否応にも成果物はアプリケーションそのものになりました。これは京都と東京で別れていたからこその制約ですが、その制約条件は結構いい方向に働いていた気がします。動くモノがある状況で話をするのと、紙の上の資料だけで話をするのでは、やはり前者の方が次のいいアイデアが浮かんできますし。

今はというと、サービスイメージの画像だけを作ったり、パワーポイントでページフローなんか書いたり。1週間後には成果物のアプリケーションが出来上がってくるのに、そんなモノを作る必要があるのかな?なんて思うこともしばしばです。

加藤さんも書いてましたが、開発としては「営業がうるさい」というのも結構気になるもの。タマに営業がずっと社内に残ってる日なんかは、他の席に避難したりすることも...ドリコムブログやドリコムジョブボードの仕事をしていると、ことBtoCにおいては営業と開発が対面するのは月に1〜2回くらいで十分な気がします。嫌でもどうせ会議なんかで顔を合わせるんだから、普段は別の場所で働いててもいいんじゃない?なんて思ったりすることもしばしば(?)まぁ加藤さんの言う様に、営業さんにとっては元気なことが非常に重要だし、そうじゃないと仕事も楽しくならないと思いますが。

そういったメリット/デメリットを考えると、毎日「同じ会社」でなくても良くて、月に1度くらいの頻度で「同じ会社」になる方が、みんな仕事しやすくなるのかなぁ〜と思います。

そして最後は京都という特別な場所について。

東京という街はいろんな人に会えるという部分では魅力的ですが、京都の持つ「同じコミュニティに属している感覚」といのが無い街でもあります。街の広さも、歴史的背景も、土地の文化も違うので、それは仕方の無いことでしょうが、シリコンバレーのように「新しい何かが生まれる雰囲気」は、京都の方が強いです。

一方の京都はと言うと、東京と同じくらい優秀な学生が集まっている街です。最近では東大や早稲田、慶応にならってか、京大や立命や同志社を中心として学生ベンチャーが生まれる土壌も徐々に整備されつつあります。そして街として東京や大阪から来た「部外者」を排除する雰囲気が強い中、なぜか学生と外国人にだけは非常に寛容です。

そういった意味では、「狭い業界で密に交流しないと生き残れない」という意識や、「お互いに京都にいるものだからこそ交流できる」という雰囲気もあると思います。東京でも大阪でも名古屋でもなく、京都で生まれたということの強みというのは、そういうところなのかな?

これは非常に個人的な感想ですが、東京に来て一番失ったものは「四季」ですね。京都では街の中心部であっても常に強く四季を感じることができます。春は鴨川に桜が満開で、夏は周りの山々がすごいエネルギッシュで、秋には紅葉に囲まれて、冬には雪をかぶった比叡山が見下ろしている。そんな環境で過ごして来たので、こっちに来てはじめて「花見やハイキング、もみじ狩りに行きたいと思う心理」が理解できました。

そういう意味で「京都で生まれた強み」を活かせるタイミングで京都に帰るというのは、非常によいことだと思います。ただし京都で生まれた会社じゃなければ、京都に移転するのは難しいとも思いますが。

最後に京都からスタートした「京の路」も、いつか京都に帰る時が来るのかもしれませんね。まぁそれは人生の不思議にお任せしますが。

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2008年02月16日 はてなもドリコムも京都で生まれ、東京に出て行った(1) - 京の路

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